【質問】「なぜ金本位制が復活したのか

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マイ政経講師の「ひかさ」と
温泉バカひかさの憧憬日記のキャラクター「ゆ〜くん」の
会話形式になっています。

解説前に…

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それでは、解説!

 

世界恐慌で金本位制ってやめましたよね?
でも、なぜ、金本位制ってブレトンウッズ協定で復活したんですか?

 

 

ひかさ

たしかにわかりにくいポイントだよね〜
なんかさ、金本位制だの管理通貨制度だの、固定相場制だの為替相場制だの。
まずは結論を述べます!

 

Chapter1 金本位制ってなんでやめたの?

 

1929年の世界恐慌って覚えてる?
アメリカのニューヨークのあるウォール街の株価が大暴落したんよね。
すると当時のソ連を除く全世界が不況に陥ってしまったんよ。

 

でも、不況になったことと金本位制を辞めることって関係ありますか?
関係なくないですか?

 

勉強をしている人は意外に思うかもしれないけど、
金本位制ってイギリスが世界で最初に実施していたんだよね。
イギリスはポンドという通貨だったわけだけども、
不況によってやはりイギリスも大きな打撃を受けた結果
イギリスへの不安が高まって、ポンドを皆が売り出すわけよ。

 

言ってること難しいですって!
ポンドが売られたらなんで困るんですか??

 

ごめんって!
金本位制ってな、金と国の通貨を交換できるわけやんか?
もし、君がポンドを持っていて、イギリスが不況になったとき、
そのポンドってそのまま持っておくべきかな?
金に交換しちゃった方が他の国の通貨に
変えられることない?

 

ああ、まあたしかに…
僕だったらすぐに売っちゃうなぁ…

 

じゃあどうなるかっていうと、
イギリスが持っていた金と、他の人が持っていたポンドを交換するからさ、
イギリスの手元には金とポンドどちらが残る?

 

ポンド!

 

金はイギリスから流出したんだよ。
でも、金は他の国の通貨と交換できるんでしょ?
イギリス、金無いのにどうやって交換する?
他の通貨持ってないと、貿易もできないよ?

 

だからイギリスは困ってたんですね!

 

そうなると、イギリスは金本位制を辞めない限り絶望のまま。
だから金本位制を辞めることになったんだよ。

 

そっかぁ…

Chapter2 第二次世界大戦後の世界は?

 

 

金本位制が終わったら、
それぞれの国はどうやってお金を集めたの?

 

そうなるよね。
ここはちょっと世界史の範囲になるけど許してね。
金本位制を辞めた結果、自給自足の方に進むんだ。

 

自給自足?食べ物の話?

 

まぁ…そんな感じ?
各国は輸出入をするために海外の通貨を用意するよりも、
自分たちで解決できたら楽やん?
自分たちの必要な物は全部自分たちでそろえるんよ。

 

え、でも、全ての国が自給自足できるわけじゃないですよね?

 

そう!よく気づいた!!
じゃあどうするかというと植民地や同盟国と連携して
ブロック経済圏を形成するんや。
この圏外とはやりとりはしないんだよ。

 

めっちゃ久々に聞きましたけども、「ブロック経済」。

 

そうそう、懐かしき思い出の「ブロック経済」ね。
これにより各国は植民地を広げようとする。
それを特にやったのが日本やドイツだ。
日本は植民地が元々少なかったし、
ドイツは原材料の輸入先が枯渇していた。
そこからとうとう第二次世界大戦がはじまる。

 

第二次世界大戦が終わって、いよいよ話題のブレトンウッズですね?

 

そう。1944年、だからまだ日本が降伏していないときやね。
44か国がアメリカのニューハンプシャー州のブレトン・ウッズに集まった。
ここでのテーマは「ブロック経済の反省」だったんだよね。
そこで調印された協定が「ブレトン・ウッズ協定」だ。

 

なるほど、ブロック経済で戦争が起きたから
反省会をしたわけですね。

 

じゃあ、ブレトン・ウッズ協定をチェックしていこう。
ここでは、自由貿易の促進、国際通貨の安定を目指して、
IMF(国際通貨基金)IBRD(国際復興開発銀行)を設立した。
これからの通貨体制はIMFがベースになる。
ちなみにIBRDは戦後復興の援助をする。

 

政経らしくなってきましたね!
いよいよ質問の答えですね!

 

そうやね!
「金本位制が復活」という質問内容だったけども、
板書に書いていたように、実は復活はしていない。
実際、僕の授業プリントでも「金本位的」と書いてるんだ。

 

そこが謎なんですよね。だってこの後、金でやり取りしますよね。
それこそアメリカのドルが基軸通貨になって、1オンス=35ドルになりますし。
だから金本位制じゃないですか!!

 

政経の範囲に入ると、めっちゃ難しい話するやん。
まあでもその通り!
戦後の通貨体制では、アメリカのドルを基軸通貨(キーカレンシー)にして、
金とドルを交換できるような仕組みにしたんだ。
そのときに、金1オンス=35ドルで交換できるとした。
オンスは金の単位ね。

 

じゃあ、金本位制と何が違うんでしょうか…

 

まず1つ目の違いは、アメリカが中心になったこと。
アメリカが金をたくさん持っていたので、
アメリカをベースとした交換が可能になった。
2つ目の違いは、固定相場制の導入だ。
この交換比率(まあそう相場かな)の変動は
上下1%以内にしなければならないとした。
これにより、固定相場制となったんだ。

 

じゃあ金本位制ではなく、固定相場制になったと覚えればいいんですか?

 

おっと、ここはしっかり確認しておこう。

Chapter3 金本位制・管理通貨制度・固定相場制・変動相場制とは?

 

 

金本位制・管理通貨制度は通貨制度の名称、
固定相場制・変動相場制は交換比率(レート)の決め方の名称だ。

 

あ、そういうことなんですか!

 

金本位制は、国がどの程度外国通貨と交換するかが決められない。
持っている金の量で交換できる量が決まるからだ。
管理通貨制度は、国がどの程度外国通貨と交換するかが決められる。
今回のブレトンウッズ協定では、管理通貨制度に変更されたんだ。

 

でも、金でやり取りするなら金を持っている量が関係しませんか?

 

そうやね。
本来は金本位制と管理通貨制度は両立はしない。
でも、アメリカのドルを仲介させる仕組みを作ったことで、
管理通貨であっても、金本位制のようなシステムができたんだ。
金は確かに使う。でも各国が外貨と交換する量を決めることもできるんだ。

 

めっちゃすごい!じゃあこのままずっと…

 

とはいかなかったよね。
詳しくは「ニクソン・ショック」で復習しておこう。

 

ちなみに、固定相場制と変動相場制の違いは何ですか?

 

固定相場制は1ドル=360円と言ったら、
たとえ需要が増えても減っても1ドル=360円のままだ。
もちろん完璧にというのは難しいだろうから、
ブレトン・ウッズ協定では変動は上下1%までは許していたんやね。
変動相場制は1ドル=?円ということ。
この?は、その通貨の需要の変化で変わる。
今の日本だと、1ドル=130円くらい。
でも今よりも円の需要によっては、1ドル=90円になったり、
1ドル=150円になったりすることもあるんだ。
詳しくは「為替レート」で復習しておこう。

 

じゃあ、管理通貨制度だけど変動相場制とか
管理通貨制度だけど固定相場制ということもあるんですね?

 

そういうことになるね。
政経で勉強するのは制度的には「管理通貨制度」の時代。
でもこれから様々な体制や協定によって、
固定相場制と変動相場制を交互に使っていくわけだ。
それは「国際経済」のうち、「通貨体制」で復習しておこう。